大手英語教室も、英語セット教材も「フォニックスを取り入れています」が謳い文句になっている今日この頃。
ママたちのあいだで「フォニックスをやると発音がよくなる?」「フォニックスって早くからやらせた方がいいのかな?」と話題にのぼることもあります。
そもそもフォニックスってなにかというところから、改めてお伝えしてみたいと思います。
フォニックスとは?
日本語の場合、「あ」は50音(あいうえおかきくけ…)の「あ」、読む音もそのまま「あ」。
50音を覚えれば、ひらがなの単語や、簡単な文章は読めるようになりますね。
あいうえおはあいうえおでしかないから、「音」について学ぶという感覚がありません。
一方英語の場合、「B」はアルファベット(ABCDEF…)の「ビー」ですが、読む音は「ブッ」というような音ですよね。
これを「音素」といいます。
英語には全部で45個前後の音素があります。
そのすべての音素がそれぞれどの文字とつながっているのか、その音と文字(つづり)のルールを学ぶのがフォニックスです。
あれれ、アルファベットは26文字なのに、音素は45個もあるんですよね!
これは、1文字で表される音素のほかに、2文字や3文字でひとつの音を表すものがあるからです。
例えば/th/の音は、/t/でも/h/でもなく、まったく別の/th/という音なんです。
私達が国語の授業で最初に50音を学ぶように、英語を母国語とする子どもたちも学校でフォニックスを学び、それが読み書きの土台となります。
日本で英語を学ぶ子どもたちにとって、あるいははじめてフォニックスを学ぶ大人にとっても、45個の音素を覚えるのは簡単なことではありません。
でもこの45音を正しく覚えることでできるようになることがあります。
フォニックスを学ぶと何ができる?
英語の音と文字を知ることができる。
fは「唇を噛んで!」
rは「舌を巻いて?!」
thは「舌を噛んで!」
なんて学校で教わりませんでしたか?
え、まじで?噛むの?舌出てていいの?と半信半疑だったティーンの私。
私の受けたこの指導についてはさておき、このように英語の音は、日本語とはまったく異なる音であり、日本語を話すときとは違う口や舌などの動きを伴います。
冬に着る「コート」(coat)と、テニスコートの「コート」(court)。
どちらもカタカナでは同じ「コート」ですが、この「ー」伸ばし棒の部分も、英語では別の音素なんです。
こういった日本語にはない45の音素の存在を知り、それをどう書くか文字とつなげることが、読み書きに役立つ知識になりますね。
単語が読める!聞いて書ける!
音素というのは音の最小単位。
つまり、これ以上小さくわけることができない音です。
その音素同士をつなげて単語が成り立っているのです。
たとえば/h/の音、/a/の音、/t/の音を学んで、それをつなげてhat(帽子)という発音がわかるようになります。
さらにuやoの母音も学べば、hot(あつい)やhut(小屋)との違いがわかるようになるといった具合です。
45音を一気に学ばなくとも、音素を知れば知るほど、こんな風に読むんだなと音が予測できる単語が増えていく、コレが楽しい!
英単語を多く知らない日本の子どもたちにとっても「自分の力で読める!」という経験がしやすく、さらに「もっと読みたい!」という学習の意欲につながっていきます。
もしくはまだ綴りを習っていない単語を聞いて、この音とこの音の組み合わせだなと理解し、書き取ることができる。
このあたりが、フォニックスを学ぶ意味としてよくあげられるコトなんです。
ここまででも、私がひたすら英単語を丸暗記した20数年前を思えば、すごい変化だと思います。
小さな子がひらがなの文字をひとつひとつ追って読むように、英単語を読みあげられるなんて考えたこともなかったんですからね。
フォニックスを意味ある学びにするために
フォニックスで英語の発音ができるようになるか
少し前に【日本語を話すときとは違う口や舌の動きを伴う】と書きましたね。
そのために多くの日本語話者にとって、英語の音素を発音できるようになるには適切な発音指導と練習が必要になってきます。
実は巷にあふれるフォニックス教材やYou Tube動画などでは音素がそもそも間違っていることもありますし、英語指導者の中でも発音指導のレベルには当然バラツキがあります。
このあたりについてはまた別の機会に詳しく書きたいと思いますが、【こういう音素があると知る】ことと、【それらを適切に発音できるようになる】のとはまた別の話です。
もう一点、音素を適切に発音できるようになったとして、短い単語なら音素をつなげてそれらしく単語を発音できます。
でもそれってとても限定的。
たとえば英語のbananaの発音って、真ん中のaの部分にアクセント(ストレス)がきますよね。
ひとつひとつの音素の知識だけでは、このように長い単語(母音が2つ以上)や文章において、どう強弱をつけるのか、英語の自然な音やリズムがわからないのです。
つまりフォニックス(文字と音のルール)を学んだだけで、発音ができるとは言い難いということですね。
読み書きの力はどう育つのか
小さな子がひらがなの文字をひとつひとつ追って読むのを想像してみてください。
一般的には遅くとも1年生であいうえおが読めるように勉強しますよね。
1年生というと、母国語である日本語の会話は、日常的なことであれば問題なく大人ともやりとりができるレベルだと思います。
頭の中にはすでにたくさんの日本語があり、それをスラスラと話すこともできますね。
赤ちゃんの頃からまわりの人が話す言葉を聞いたり、絵本や歌で遊んだりしながら蓄えてきたたくさんの言葉と、日本語らしいリズムの蓄積があるからです。
だからこそ、「お・つ・き・さ・ま」と字を追って読んだときに、あの「おつきさま」のことね!と実生活のなかで知っている月とリンクするわけです。
これが文章になっても同じこと。
簡単な文章なら、文字を追って読んでいくと、その音のイメージも、意味も、わかるのです。
こうして少しずつ文字と音、言葉、文章をリンクさせる経験をつみ、私達は日本語の読み書きの力を伸ばしてきました。
英語を母国語とする子どもたちも、同じこと。
誰もが赤ちゃんの頃からたくさんの英語の音、言葉を聞き、身体で感じ、話し、十分に英語の音やリズムがそなわっているのです。
その蓄えがあるからこそ、フォニックスを学びひとつひとつ文字を追って読んでいくと、すでに知っている音や言葉、リズムとリンクさせて音のイメージをつかむことができる。
少しずつ読み書きの力を育てていきます。
では英語を母国語としない日本の子どもが、英語のフォニックスを学んだ場合どうなるか。
一般家庭で育つ多くの日本人の子どもたちには、【すでに知っている音や言葉、リズム】という部分が、欠落しているんです!
読み書きのレベルUPに欠かせない、重要な部分が圧倒的に足りていないんですよね。
だから音素ひとつひとつの発音が正しかったとしても、長い単語や文章レベルでは、英語にあるべき強弱(抑揚)の感覚がわからないために、不自然な読みになってしまうということが起こります。
だって、自然な音の流れを知らないから。
英語の音やリズムを感覚を育てよう
フォニックスを学び、会話や文章レベルでの英語らしい発音や読み書きのレベルUPにつなげていくには、その前段階として英語の音のかたまりやリズムを感覚的に捉えているということが欠かせないんです。
つまり【良質な英語をたくさん聞いて、身体で感じて、十分に英語の音やリズムの経験を蓄える必要がある】というわけです。
小さいお子さんがいる方は、ぜひ今のうちに良質な英語にたくさん触れさせてあげてください。
英語の歌や手遊び、絵本などをとおしてたくさんの英語を聞き、英語の音のかたまりや英語らしいリズムの感覚を身体で掴んでいくことが、すべての英語力の下地になります。
その下地があることで、フォニックスの学びがさらに意味あるものになり、その先の英語力につながっていきます。
とはいってもネイティブのように常に英語にふれられるわけではないし、日本語だって大事だし。
日本人にとって英語の音やリズムの感覚を育てるのは容易ではないんですよね。
容易ではない、いつもいつもできるわけではない。
だからこそ、無理なく効率的に、日本語を母語とする私達にピッタリの方法で英語力を育てていきたいものですね。
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出典:Rhymoe® Phonics(https://rhymoephonics.com/about/)